商品やサービスを通じた社会的課題の解決

基本的な考え方

当社グループは、ESG行動指針において保有不動産等を通じたテナント・地域・コミュニティへの貢献を掲げ、あらゆるステークホルダーとの対話や協働に努め、地域・コミュニティとの共生を図ることを目指しています。当社グループの事業活動、商品やサービスの提供を通じて不動産に関連する社会的課題の解決や付加価値の向上に努め、地域の雇用創出や経済活性、防災や減災、エリアの持続可能な発展に貢献することはもとより、良き企業市民の一員として地域社会や国際社会との調和を図ります。なかでも重要な社会課題である「防災」においては、テナントと協働して防災訓練を実施するなど、テナントとの対話を重視した取り組みを行っています。また「地域のコミュニティ活性」においては、ホテル事業を中心に地元企業と連携し、地域の特産品の調達、販売支援、地産地消、観光産業の振興に努めているほか、ホテルのラウンジで地域の方々が参加できるイベントを開催するなど、地域社会との交流・対話の機会を設けつつ地域の賑わい創出に貢献しています。

テナントやお客さまとともに

交通アクセスに優れた開発

  • 再生事業
  • 開発事業

当社では、不動産取得プロセスにおいて、全ての物件仕入時に不動産購入時チェックシートによる物件デューデリジェンスを行い、当該不動産の交通アクセスを確認しています。オフィスビルや商業ビル、ホテル、住宅等を開発するにあたり、交通アクセスは商品企画検討における重要項目の一つと認識しています。特に駅近で交通利便性の高い立地は、テナント誘致ならびにテナント入居後の反響においても優位性が高く顧客満足度の向上にもつながります。

住みやすさ、過ごしやすさへの配慮

  • 再生事業
  • 開発事業

当社では、不動産の再生、開発事業における商品開発において、その住空間やオフィス空間等における住みやすさや過ごしやすさ、利便性や快適性へ配慮しています。なお、法令の定める範囲で障がい者対応等を行うことはもとより商品企画により、一部の物件でプラスアルファの仕様も実装するなど障がい者を含めた多様な人々にとって、住みやすく、過ごしやすい商品・サービスの提供に努めています。

バリアフリー住宅

分譲住宅「THEパームスコート」シリーズの一部では、障がい者や高齢者等の居住配慮型住宅"Withstyle"を導入しています。長い人生のあらゆるシーンに寄り添う可変性に富んだ住まいを実現するため、将来エレベーターが必要となった時に低コストで仕様変更できるクローゼットの設置や、車いすでの生活を想定した設計等、"住み続けられる10の設計コード"を採用しています。

THEパームスコート橋本(分譲済)

利便性・快適性向上への取り組み

  • 賃貸事業
  • 管理事業

住宅やオフィスの賃貸、管理事業においても利便性や快適性の向上に向けた取り組みを推進しています。賃貸住宅において、コミュニティースペースの創出や老朽化した共用部のデザイン改修などを行い、賃貸オフィスにおいては、シェアサイクルやキッチンカーの誘致などに取り組んでいます。

キッチンカー
シェアサイクル
社宅再生×コミュニティスペースの充実

3棟からなる遊休社宅を再生し、ファミリー向け賃貸マンションにバリューアップしました。子育て世代のファミリーをターゲットに、親子で周囲に気兼ねなく遊ぶことができる「キッズルーム」、友人や親戚が集い、料理教室や誕生日イベントを開いて楽しむことができる「パーティールーム」、自習や読書など一人の時間が持てる「スタディルーム」の3つのコミュニティスペースを創出。さまざまなシーンで快適に暮らせる空間を提供しています。

キッズルーム
社宅再生×音楽愛好家向けコンセプト住宅

「T-Rhythmic SOKA」(売却済)は、空室の社宅を一棟丸ごと取得し、遮音性能を高めた賃貸マンションへ再生しました。全52室ある居室の内、ワンルームの24室に対して防音工事を施し、食堂として使用されていたフロアはパーティールームへと改修。入居者が集ってイベントを開いたり、入居者同士が自由に寛ぎながら交流を深めるスペースを創出しました。

食堂を改修したパーティルーム

テナントアンケート

  • 賃貸事業
  • 管理事業

当社が保有するビル(固定資産)に入居する全テナントに対し、ビルの管理運営体制や設備等に関するアンケートを毎年実施し、ニーズの把握に努め、固定資産の管理を担うトーセイ・コミュニティのサステナビリティ委員会およびトーセイのサステナビリティ委員会においてアンケート結果を確認の上、必要な対応策を講じ、テナント満足の向上に取り組んでいます。

レジリエンス(防災・減災)

  • 賃貸事業
  • 管理事業

災害などが発生した場合に、速やかな回復を通じてテナントの安心安全を確保できるよう、不動産ファンド事業におけるアセットマネジメント、プロパティマネジメントにおいて、レジリエンスの強化に取り組んでいます。トーセイにて定めた「震災等対策マニュアル」に加え、トーセイ・アセット・アドバイザーズ REIT運用本部および私募ファンド運用本部にて、独自のBCP(事業継続計画)、地震発生時情報開示マニュアル、緊急事態発生時の報告マニュアル等を定め、非常時に適切に対応する体制を整備しています。

住まいづくりでSDGs貢献を目指す

  • 開発事業

住宅開発では、SDGs貢献を目指した住まいづくりを行っています。

街全体で取り組むSDGs

「THEパームスコートひばりが丘」(分譲済)では、「緑の保全」「省エネとごみの削減」「節水と水資源の保全」「防犯と防災」の4つをテーマに設定し、個々の住戸だけでなく戸建街区全体で6つのSDGs目標への貢献を目指しました。

雨水タンク
灯りの協定
四季折々の植栽
外構タイル

心地の良い住まいづくり

  • 開発事業

ライフスタイルの多様化に応えるため構成されたプロジェクトチームが、実生活者視点でのきめ細やかな発想で「家族みんなが心地良い住まい」を企画提案しています。同プロジェクトの提案による間取りプランは、一部の分譲物件で採用されています。(本活動は2023年度にて終了いたしました)

「THEパームスコート鎌倉城廻」

家事導線を意識した家族全員が家事に参加しやすい住まい、DIYなどができるカウンター付きの大きなシューズインクローゼットを備えた趣味を楽しむ住まいを企画。

「THEパームスコートひばりが丘」

主寝室に直結したドレッサー付きウォークインクローゼットを採用し、リビングには雰囲気のある間接照明を採用するなど、女性にとって特別感のある非日常的な住まいを企画。

地域社会とともに

地域社会への寄与

  • ホテル事業

地域活性、コミュニティ形成

「COCONE鎌倉」では江ノ電1日乗り放題のチケット「のりおりくん」付きのプラン、新江ノ島水族館チケット付きプランや鎌倉和雑貨付きプランを、「COCONE浅草蔵前」ではレンタル着物着付け付きプランを発売するなど、一部のホテルでは地域観光事業者と連携し、地域活性化に貢献しています。またトーセイホテル&セミナー幕張においても、積極的に地域貢献活動に取り組んでいます。レストランでは提供するメニューに地元の食材を使用した地産地消の取り組みを行っているほか、1Fロビーを開放し、地域住民が参加できる交流イベントを季節ごとに開催しています。このほか、寄付型の自動販売機を導入するなどホテル利用者の方々が気軽に社会貢献活動に参加できる機会の提供を行っています。

ホテル再生×地域社会貢献

「トーセイホテル&セミナー幕張」は築27年と老朽化が進んでいた宿泊研修施設を、運営会社ごと当社が不動産M&Aし、ハード・ソフトの両面で総合的に再生しました。79室だった宿泊室数を137室に増設し、各部屋にトイレや洗面などの水回り設備を新たに設けたことで、宿泊施設としての優位性を高めました。また、"ホテルであり、セミナーハウスであり、地元に寄与するスペース"という再生コンセプトのもと、既存のスペースを生かした地元開放型ラウンジを設置。ラウンジは季節ごとのイベントを誘致するほか、地元の伝統芸能のお披露目の場としても活用しています。施設内のレストランでは地元の食材を使用した「地産地消」メニューを提供するなど、施設運営を通じた賑わい創出、地域活性に貢献しています。

食堂を改修したレストラン

地域社会の防災や減災、コミュニティ創出

  • 開発事業

コミュニティを育む街づくり

分譲戸建の「THEパームスコート柏初石」(分譲済)では、敷地内に通り抜けができない転回広場"クルドサック"を設け、居住者同士の触れ合いを育むだけでなく、安全性にも配慮した街づくりを行いました。分譲マンションにおいては、用途に合わせて自由に利用できるコミュニティスペースを積極的に採用しています。「スタディルーム」、「ゲストルーム」、「パーティールーム」、「ママ&キッズラウンジ」など、さまざまなライフスタイルの住民が快適に過ごせる環境づくりに努めています。

「THEパームスコート柏初石」

地域に開かれた街づくり

分譲マンションの「THEパームス相模原パークブライティア」(分譲済)のエントランス前には、居住者だけでなく地域の人々にもひらかれた、自然に親しみ、地域の憩いの場となるような提供公園を設置しました。災害時にかまどとして活用できる「かまどベンチ」を3基設置し、街灯の一部にソーラー方式を組み入れるなど、防災面にも配慮しています。

「THEパームス相模原パークブライティア」

建物跡地を活用した再開発プロジェクト

倉庫等の建物が建っていた土地を取得し、土地の整備を行ったうえで新たな建物を建設し、新たなコミュニティを創出する建物跡地の再開発に取り組んでいます。
東京都調布市に所在していた食品の販売事業等を行う企業の倉庫跡地や埼玉県戸田市に所在していた建築業等を行う企業の倉庫跡地に大型の分譲マンションを開発しました。いずれのマンションも周辺環境との調和を意識した植栽の充実や入居者のコミュニティ形成に向けた共用部設置に取り組み、再開発を通じてその地域に新たなコミュニティを創出しています。

倉庫跡地
分譲マンション開発