コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
トーセイグループは、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応し健全な成長を実現する事業活動を持続することにより、株主、従業員、取引先を始めとする社会全体のあらゆるステークホルダーに対して、存在意義のあるグループで在り続けたいと考えています。そのために最も重要と位置付けられるものがコーポレート・ガバナンスの充実であり、特に「コンプライアンス意識の徹底」「リスクマネジメントの強化」「適時開示の実践」を三つの主要項目として掲げています。 また、会社法および金融商品取引法において求められている内部統制システムの構築ならびに金融商品取引業者として、投資家の信頼に応え得る体制の構築に向け、取締役会を中心として、経営トップからグループ全社員に至るまで、一丸となって体制の更なる強化に努めてまいります。
コーポレート・ガバナンスにおける3つの主要項目
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コンプライアンス
最重要事項と定め経営トップからグループ社員に至るまで周知徹底
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リスクマネジメント
あらゆるリスクを想定し、平時と緊急時の対応を準備、実践
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適時開示
株主・投資家をはじめとするあらゆるステークホルダーに対し適時適切な開示を実践
コーポレート・ガバナンス基本方針
コーポレート・ガバナンスに関する報告書
コーポレート・ガバナンス体制
現状のコーポレート・ガバナンス体制を選択している理由
取締役会、監査役会を設置し、透明性の高い経営の履行を目的として、社外取締役の選任および監査役全員の社外招聘をするとともに、執行役員制を採用しています。当社の監査役は、上場来、全員が社外監査役であり、経営に対し、常に当社の企業価値および株主共同の利益の確保、向上の視点に立ち、監査を行っています。また、社外取締役を取締役会に迎えることで、より一層経営に対する監督機能を強化しています。一方、経営においては、執行役員制を採用することにより、意思決定機能および業務分担の最適化と業務執行における権限委譲を推進し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。
取締役会
取締役会は、取締役9名(うち社外取締役3名)で構成され、経営の最高意思決定機関として経営方針ならびに重要事項の決議をするとともに、取締役の職務執行を監督しています。また、社外取締役(全員独立役員)は、客観的見地から意見を述べるなど、取締役会の意思決定の妥当性、適正性を確保するための助言・提言を行っています。
指名報酬諮問委員会
株主総会に提出する取締役選任議案にかかる候補者の選定プロセス、および取締役の個別報酬等の配分にかかる取締役会決議等の各々の適正性、透明性を担保することを目的として、取締役会の任意の諮問機関として「指名報酬諮問委員会」を設置しています。委員会は、社外取締役(独立役員、1名以上)、常勤監査役(社外、1名)、代表取締役(1名)、常勤取締役(1名)が構成員となり、委員たる社外取締役が委員長に就任しています。<br>なお当社は、各決定プロセスの適法性を監視するため、独立社外監査役も同委員会の構成員に含め、独立社外取締役および社外監査役が構成員の過半数とすることをコーポレート・ガバナンス基本方針において定めています。現在の委員会構成員6名のうち4名が独立役員であり、委員長を独立社外取締役が務めることにより、委員会構成の独立性・客観性を担保しています。
執行役員制
取締役の責務である経営監視・監督と業務執行をより明確に区別するために、執行役員制を採用しています。執行役員は取締役会において選任され、取締役会の決議による業務のほか、社内規程に従って、会社の業務を執行、統制しています。また、代表取締役社長が執行役員社長に就任しており、執行役員社長は経営会議を原則毎月2回開催し、執行役員社長が行う重要な意思決定に関する事前諮問を行うとともに、取締役会決議事項の事前協議を行っています。
コーポレートガバナンス会議
継続的にコーポレート・ガバナンスを強化するために、常勤取締役、常勤監査役で構成する「コーポレートガバナンス会議」を月例で開催し、企業価値向上のための企業統治上の懸案事項や内部統制に関する事項の確認、協議を行っています。必要に応じて、顧問弁護士・公認会計士等の外部有識者のアドバイスを受けています。
監査役会
当社は監査役制度を採用し、監査役会を設置しています。監査役会は常勤監査役2名、非常勤監査役2名の計4名で構成され、いずれも社外監査役です。取締役会の運営、取締役の職務執行を独立した客観的な立場で監査し、かつその有する知見の下、取締役会あるいは経営陣に対して企業価値向上に向けた建設的な助言・提言を行っています。
監査役監査、内部監査、会計監査人監査の連携(三様監査)
監査役監査 |
年間監査計画に基づいて実施しており、会計監査人との連携や内部監査部との連携により、効率的かつ実効性のある監査体制を構築しています。常勤監査役は各取締役および各部門責任者との定例面談を実施し、業務執行状況の把握に努めるとともに、社外取締役とも定期的に意見交換を実施しています。 |
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内部監査 |
執行役員社長直属の内部監査部が年度計画に基づいてグループ全体の事業活動全般について、適法性・妥当性などの観点から監査を実施し、不備事象については是正勧告を行い、改善を求めています。是正必要事項については、被監査部門と協議し、具体的な指導を行うなどのフォローを充実することで実効性の高い監査を実施しています。 |
会計監査人監査 |
年間の監査計画に従い監査を実施しており、事業年度末の監査に加え、四半期末のレビューも実施しています。なお、会計監査人の定期的な交代および再関与については、公認会計士法に基づく監査法人の規程に則り、次のとおり運用しています。
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機関ごとの構成員(2024年2月28日現在)
(◎議長または委員長、〇構成員、△陪席者)
スクロール
氏名 | 役職名 | 取締役会 | 監査役会 | 指名報酬 諮問委員会 |
コーポレートガバナンス会議 |
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山口 誠一郎 | 代表取締役社長 執行役員社長 |
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平野 昇 | 取締役 専務執行役員 |
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中西 秀樹 | 取締役 専務執行役員 |
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山口 俊介 | 取締役 常務執行役員 |
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米田 浩康 | 取締役 常務執行役員 |
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大島 均 | 取締役 執行役員 |
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少德 健一 | 社外取締役 |
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小林 博之 | 社外取締役 |
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石渡 真維 | 社外取締役 |
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八木 仁志 | 社外監査役(常勤) |
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黒田 俊典 | 社外監査役(常勤) |
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永野 竜樹 | 社外監査役(非常勤) |
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土井 修 | 社外監査役(非常勤) |
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取締役会・指名報酬諮問委員会・監査役会の出席状況(2023年11月期開催分)
スクロール
氏名 | 役職名 | 取締役会 (出席数/開催数) |
指名報酬諮問委員会 (出席数/開催数) |
監査役会 (出席数/開催数) |
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山口 誠一郎 | 代表取締役社長 執行役員社長 |
22/22回 | 2/2回 | - |
平野 昇 | 取締役 専務執行役員 |
22/22回 | 2/2回 | - |
中西 秀樹 | 取締役 専務執行役員 |
22/22回 | - | - |
渡辺 政明 | 取締役 常務執行役員 |
22/22回 | - | - |
山口 俊介 | 取締役 常務執行役員 |
22/22回 | - | - |
大島 均 | 取締役 執行役員 |
22/22回 | - | - |
少德 健一 | 社外取締役 | 22/22回 | 2/2回 | - |
小林 博之 | 社外取締役 | 20/22回 | 2/2回 | - |
山中 雅雄 | 社外取締役 | 19/22回 | 2/2回 | - |
八木 仁志 | 社外監査役(常勤) | 22/22回 | 2/2回 | 16/16回 |
黒田 俊典 | 社外監査役(常勤) | 22/22回 | - | 16/16回 |
永野 竜樹 | 社外監査役(非常勤) | 21/22回 | - | 16/16回 |
土井 修 | 社外監査役(非常勤) | 21/22回 | - | 16/16回 |
役員選任方針
基本方針
取締役会は、ジェンダーや国際性、職歴、年齢などの多様性を重視するとともに、当社グループの理念、財務および事業等の内容に精通し業務執行を行う取締役と、幅広い経験および知見、独立性を有する独立社外取締役で構成するものとします。
取締役候補の指名にあたっては、業務を執行する取締役は、取締役として必要な知見を有するとともに当社グループの財務および事業等の内容に精通する者を指名しています。また、社外取締役は、独立した客観的な立場で経営を監督し執行役員兼務取締役に対し建設的な助言・提言が期待できる者を指名しています。「指名報酬諮問委員会」における候補者指名の適正性に関する協議結果を踏まえ、候補者を決定します。
また、監査役候補の指名にあたっては、取締役会の運営、取締役の職務の執行を独立した客観的な立場で監査し、かつその有する知見の下、企業価値向上に向けた建設的な助言・提言が期待できる者を指名することを基本方針とし、「指名報酬諮問委員会」の協議結果を踏まえ、監査役会の同意を得て取締役会が候補者を決定しています。なお、当社の監査役は、上場来、全員社外監査役です。
取締役のスキル・マトリックス
独立役員に対する考え方
社外取締役および社外監査役は、当社の定める「独立性判断基準」を踏まえて選任しています。
また、独立社外取締役の選任にあたっては、幅広い経験および知見を有し、取締役会において率直・活発で建設的な意見を助言・提言できる者を選任することとしています。
社外取締役・社外監査役の選任理由
社外取締役
スクロール
氏名 | 独立役員 | 選任理由 |
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少德 健一 |
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社外取締役 少德 健一は、公認会計士としての海外を含む幅広い経験と専門知識を有しており、会計専門家としての客観的立場から当社取締役会はもとより、監査役との連絡会等の多様な機会における貴重な助言や、当社および当社グループのガバナンス強化、財務報告の適正性の確保に多大な協力をいただいております。今後一層のESGを意識したグループ拡大・成長・牽制機能の向上に不可欠な存在であるものと判断しております。 |
小林 博之 |
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社外取締役 小林 博之は、主に大手金融機関における豊富な経験と専門的知識を有しており、これらの経験や知見に基づく客観的な監視姿勢や提言・指摘により、取締役会の議論の活性化や実効性の向上に貢献いただいております。今後一層のESGを意識したグループ拡大・成長・牽制機能の向上に不可欠な存在であるものと判断しております。 |
石渡 真維 |
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社外取締役 石渡 真維は、国内外の弁護士事務所で培った企業法務に関する高い専門性とグローバルな知見を有しており、当社事業の遵法性確保に資する客観的な監視、提言が期待できます。また、複数企業の取締役経験に基づく、同氏の社外視点を取り入れ、経営監督機能の中立性を確保することで、当社グループのガバナンス強化に寄与いただけるものと判断しております。 |
社外監査役
スクロール
氏名 | 独立役員 | 選任理由 |
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八木 仁志 |
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常勤社外監査役 八木 仁志は、大手金融機関の監査部門における豊富な経験および公認内部監査人(CIA)や公認情報システム監査人(CISA)の資格に基づく専門的な見識を活かし、当社経営の妥当性・適正性を確保するための役割を果たしていただけるものと判断しております。 |
黒田 俊典 |
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常勤社外監査役 黒田 俊典は、大手金融機関における豊富な経験を有し、また、経営学修士(MBA)や公認内部監査人(CIA)の資格に基づく専門的な見識を活かし、当社経営の妥当性・適正性を確保するための役割を果たしていただけるものと判断しております。 |
永野 竜樹 |
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社外監査役 永野 竜樹は、大手金融機関における経験を有し、現在も企業経営に携わっており、その幅広い経験と専門的な高い見識を基に、当社経営の妥当性・適正性を確保するための役割を果たしていただけるものと判断しております。 |
土井 修 |
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社外監査役 土井 修は、大手証券会社および投資銀行業務を行う会社における豊富な経験と専門的な知識を基に、当社経営の妥当性・適正性を確保するための役割を果たしていただけるものと判断しております。 |
役員報酬
取締役報酬の制度概要および決定方針
当社は当社グループの中長期にわたる成長を実現するために、職責に応じた固定報酬、業績に連動した賞与、一定期間経過後に権利行使できるストックオプションに加えて、一定期間の業績結果に基づいて交付する当社株式による報酬を適切に組み合わせて決定することを基本方針としています。
常勤取締役の報酬は、その職責に応じて定めた役位別倍率を基にした「固定報酬」、常勤取締役個人の業績等の目標達成度に応じた「業績評価報酬」、連結税引前利益に連動する「役員賞与」の金銭報酬、連結税引前利益に連動する「株式報酬」、中長期的な企業価値向上への貢献意欲や士気を高めることを目的とした「ストックオプション」で構成しています。
社外取締役の報酬は、業務執行から独立した立場での監督機能が重視されることから、「業績評価報酬」および「役員賞与」の支給はなく、「固定報酬」、固定額の「株式報酬」および「ストックオプション」で構成しています。常勤取締役の固定報酬と業績連動報酬(株式報酬を含みます。)の比率は概ね60:40としています。
各取締役の報酬については、代表取締役社長が限度額の範囲内において原案を作成し、指名報酬諮問委員会での協議を経て、取締役会の決議により決定しています。
役員の報酬等に関する株主総会の決議内容等
取締役および監査役の1事業年度あたりの報酬限度額等は以下の通りです。
なお、定款において、取締役の員数は12名以内、監査役の員数は6名以内と定めています。
スクロール
役員区分 | 報酬の種類 | 報酬限度額、上限付与株式数 | 株主総会決議日 |
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取締役 | 固定報酬、 業績評価報酬、 役員賞与 |
年額500百万円以内 (うち社外取締役分80百万円以内。ただし、使用人分給与は含まれない) |
2020年2月26日 (第70回定時株主総会) |
ストックオプション報酬 | 年額100百万円以内 (うち社外取締役分10百万円) |
2019年2月27日 (第69回定時株主総会) |
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株式報酬 | 常勤取締役:当社普通株式10万株以内かつ総額は年額200百万円以内 社外取締役:当社普通株式10,000株以内かつ総額は年額20百万円以内 |
2024年2月27日 (第74回定時株主総会) |
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監査役 | 固定報酬 | 年額60百万円以内 | 2004年2月28日 (第54回定時株主総会) |
固定報酬
外部専門機関が実施している上場企業役員報酬サーベイの結果や当社の調査による同業他社の役員報酬水準との比較、当社従業員の最高報酬額との比較に基づき、取締役の役位、兼務する執行役員の役職に基づく固定報酬倍率ガイドラインを設け、指名報酬諮問委員会での協議を経て、取締役会で個人ごとに決定しています。
業績評価報酬(業績連動報酬)
常勤取締役個人の単年度の業績目標達成度に応じた業績評価報酬は、固定報酬の33%を標準評価報酬額とし毎月の固定報酬とともに支給します。目標達成状況に応じた加減算(標準評価報酬の+55%~△50%)がある場合は当該年度の定時株主総会終了後に役員賞与に追加または控除することとしています。個人ごとの評価については、当社およびグループ全体のガバナンス実践やサステナビリティ推進への貢献度、担当部門の業績達成度、連結経営指標(ROE、株価、等)の維持・向上度の要素ごとに指名報酬諮問委員会で協議を実施し、取締役会で評価を決定しています。
役員賞与(業績連動報酬)
役員賞与は、予め定めた税引前利益の水準に応じた係数に、単年度の税引前利益目標を達成した場合の追加係数を加算した係数を固定報酬(年額)に乗じて決定し、当該年度の定時株主総会終了後に支給しています。連結経営に携わる上場会社の取締役として、連結税引前利益水準の維持、向上、および毎期の税引前利益目標達成は重要な使命であり、当該指標を採用しています。
株式報酬
- 常勤取締役に対する業績連動報酬
- 常勤取締役に対する株式報酬は、取締役の報酬と会社業績および当社の株式価値の連動性をより明確にし、当社の企業価値の持続的な向上を図るため、指名報酬諮問委員会で協議を実施し、取締役会で予め定めた単年度の連結税引前利益の金額に応じて設定される水準の達成状況に応じて算定される数の当社の普通株式を当該年度の定時株主総会終了後に付与しています。
- 社外取締役に対する固定額報酬
- 社外取締役に対する株式報酬は、当社の企業価値の持続的な向上を図るため、指名報酬諮問委員会で協議を実施し、取締役会で予め定めた単年度の連結税引前利益の金額を達成したことを条件として、当社の普通株式を当該年度の定時株主総会終了後に付与しています。
なお、常勤取締役及び社外取締役に付与される普通株式は、当社の取締役を退任するまでの間は譲渡してはならないなどの一定の譲渡制限を付しています。また、法令や社内規程への重大な違反があった場合には、株式交付を受ける権利を喪失(マルス)させることができるとしています。
ストックオプション
中長期的な企業価値向上を意識した企業経営を実践するため、中期経営計画ごとに、取締役の役位、兼務する執行役員の役職に基づく付与数を代表取締役社長が提案し、指名報酬諮問委員会での審議を経て、取締役会で個人ごとに決定しています。また、企業価値向上に向けた経営の監視・監督機能の重要性に鑑み、社外取締役に対し、一定数を付与しています。
監査役報酬
監査役の報酬は、監査役の役割を考慮し、固定報酬のみとしており、各監査役の報酬については、限度額の範囲内において、監査役会の協議により決定しています。
役員区分ごとの報酬等(2023年11月期)
スクロール
役員区分 | 報酬等の総額[千円] | 報酬等の種類別の総額[千円] | 対象となる役員の員数[名] | |||
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固定報酬 | 業績連動報酬等 | 非金銭報酬等 | ||||
業績評価報酬 | 役員賞与 | ストック オプション |
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取締役(うち社外取締役) | 312,964 (21,000) |
176,353 (21,000) |
51,784 (-) |
84,826 (-) |
- (-) |
9 (3) |
監査役(うち社外監査役) | 33,960 (33,960) |
33,960 (33,960) |
- (-) |
- (-) |
- (-) |
4 (4) |
内部統制
当社は、取締役会の決議により「内部統制システムの整備に関する基本方針」を定め、本基本方針のもと、関連法令等の改正や当社グループの事業環境の変化、事業の拡大等を踏まえた「内部統制システムの整備運用計画」を毎期定め、継続して内部統制システム構築・運用に取り組んでいます。また、財務報告の適正性確保においては、金融商品取引法に適合した内部統制システム体制(COSO-ERM framework(全社的リスクマネジメント- 統合フレームワーク)を参照したいわゆるJ-SOX)を構築し、運用しています。