長期ビジョン・中期経営計画 Long-Term Vision, Medium-Term Management Plan
策定の背景
トーセイグループを取り巻く事業環境は、気候変動問題の深刻化や地政学的リスクの顕在化、国内では少子高齢化社会の進行やコロナ禍をきっかけとした行動変容の加速、デジタル技術の急速な進歩など大きな変革が起きており、不確実性が高まっています。このような事業環境の変化に適応し、当社グループが将来に亘って成長を続け、サステナブルな社会の実現への貢献を通じて企業価値向上を実現していくために、当社グループの競争優位の源泉となるコア・コンピタンスに立脚した「目指す方向性(ありたい姿)」を明確にし、グループ一丸となってビジョン実現に取り組むことを目的として「トーセイグループ長期ビジョン2032」を策定しました。
また、長期ビジョン2032の実現に向けた9年間のうちの当初3年間(フェーズ1)として、中期経営計画「Further Evolution 2026」(2023年12月~2026年11月)を策定いたしました。
トーセイグループ長期ビジョン2032
トーセイグループ長期ビジョンの概要
トーセイグループは、6事業からなる不動産関連事業を通じて、不動産の潜在価値を顕在化するさまざまなソリューションを提供してまいりました。
また、事業特性の異なる複数事業を組み合わせることによりリスクを低減しながら事業領域を広げており、多種多様なアセットを取り扱うことができるポートフォリオマネージャーとして不動産投資技術の研鑽を続けております。
アセットマネジメントの分野では、世界の不動産投資家に信頼される世界品質でのサービスを提供しており、これらの「不動産ソリューション力」・「ポートフォリオ・マネジメント力」・「グローバル・リーチ力」を当社のコア・コンピタンスとしてさらに発展させながら、事業成長と長期ビジョン2032の実現に取り組んでまいります。
中期経営計画「Further Evolution 2026」
大方針および基本方針
以下の大方針および基本方針に基づく各施策の実行によってトーセイグループの競争力を高めるとともに、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
目標とする経営指標
具体的な取り組み
トーセイグループの企業価値の源泉である「不動産ソリューション力」・「ポートフォリオ・マネジメント力」・「グローバル・リーチ力」を強化し、各事業のサービス領域の拡大やグループ間シナジーの最大化によって、既存6事業のポートフォリオの進化と成長を目指します。
不動産再生事業・不動産開発事業では、サステナビリティを意識した環境配慮商品の提供や既存不動産ストックの活用促進、取扱商品領域の拡大等による差別化を図り、トーセイブランドの確立と浸透を目指します。また、仕入における競争力を高めるべく、物件査定の効率化に向けた研究やM&Aの活用を促進します。
安定事業では、不動産賃貸事業におけるテナント需要に沿った設備仕様の研究、不動産ファンド・コンサルティング事業や不動産管理事業におけるサービス機能強化とバックオフィス業務の効率化、ホテル事業ではトーセイホテル ココネの差別化訴求によるブランド浸透と規模拡大に努めます。
また、DX分野では、業務プロセスの効率化を促進するとともに、自社再生物件、開発物件の出口戦略の多様化に向けて、不動産・金融・DXが融合した不動産テックビジネスである不動産クラウドファンディングやセキュリティ・トークン発行、区分マンション販売のデジタルマッチングに取り組み、新たな顧客層へ不動産投資機会を提供してまいります。
成長を支える事業基盤の強化においては、人材育成と多様な社員が個性を活かして力を最大限に発揮できる人事制度・組織体制・職場環境の構築に注力し、社員とのエンゲージメントを深めてまいります。また、財務面・資本配分については、資金調達力を強化し、事業規模および保有資産残高の拡大を下支えするとともに、健全な財務体質を維持しながら資本効率を意識した成長投資の継続と利益還元の向上を目指してまいります。
前中期経営計画「Infinite Potential 2023」の総括
大方針
あらゆる不動産シーンにおいて、グループの無限大の成長可能性を追求し、
総合不動産会社としての新たなステージを目指す
基本方針
事業活動 |
|
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経営インフラ |
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前中期経営計画「Infinite Potential 2023」(2020年12月~2023年11月)は、『あらゆる不動産シーンにおいて、グループの無限大の成長可能性を追求し、総合不動産会社としての新たなステージを目指す。』を大方針とし、当社は、環境・社会的課題への取り組みを意識した既存事業の拡大とDX推進による既存事業の拡充、サステナビリティ経営の実践等に取り組んでまいりました。
初年度の2021年11月期は、新型コロナウイルス感染症の終息が見えない中でのスタートとなりましたが、業績回復と成長施策の推進に努めた結果、2022年11月期は過去最高益を達成し、最終年度には再度最高益を更新し、目標としていた最終年度ROE12%を上回るROE13.6%を達成しました。
目標とする経営指標に対する実績は以下の通りです。
目標値
スクロール
目標値 |
初年度 |
2年目 |
3年目(最終年度) |
---|---|---|---|
連結売上高 |
695億円 |
800億円 |
850億円 |
連結税引前利益 |
80億円 |
120億円 |
140億円 |
最終年度 ROE |
- |
- |
12%以上 |
安定事業比率 |
47.5% |
43.5% |
42%以上 |
自己資本比率 |
35.7% |
33.3% |
35%程度 |
ネットD/Eレシオ |
1.01倍 |
1.35倍 |
1.3倍程度 |
配当性向 |
26.2% |
28.2% |
30.2% |
実績値
スクロール
実績 |
初年度 |
2年目 |
3年目(最終年度) |
---|---|---|---|
連結売上高 |
617億円 |
709億円 |
794億円 |
連結税引前利益 |
103億円 |
127億円 |
153億円 |
ROE |
10.8% |
12.5% |
13.6% |
安定事業比率 |
40.7% |
43.0% |
49.2% |
自己資本比率 |
33.8% |
34.3% |
33.4% |
ネットD/Eレシオ |
1.23倍 |
1.29倍 |
1.31倍 |
配当性向 |
26.7% |
28.1% |
30.0% |